徹底予測!次期「学習指導要領」はこう変わる。
13面記事
吉田 武大 著
改訂の背景・考え方から整理
次期学習指導要領は、2030年度以降、小学校から順次実施される。それに向けて本年9月25日に「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」が発表された。本書では、PARTⅠでこの報告書等を基に次期学習指導要領の基本的な33のポイントがQ&A方式でコンパクトにまとめられている。また、PARTⅡでは、給特法改正や働き方改革について業務量管理と健康確保措置の内容が記されている。本稿では、PARTⅠに絞って述べていく。
次期学習指導要領の論議が進むこの時期、「中核的な概念」「調整授業時数制度」「余白の創出」「主体的に学習に取り組む態度の評価」等の新たな語句や施策に目が行きがちであるが、この時期こそ改訂の背景・在り方、基盤となる考え方や今後の方向性等、改訂のバックヤードを把握することが重要であると考える。
本書は、例えば「次期学習指導要領はどんな考え方をもとに改訂が検討されるのか」との問いに、「3つの方向性をもとに検討される(1)(2)(3)」との答えが示され、続いて2~3ページに、論点整理の図表を引用し、記載の冗長・複雑さに配慮した分かりやすい構成・内容となっている。次期学習指導要領改訂の趣旨はもちろん、新たな語句や施策の解説も丁寧に詳しくまとめられている。多忙な先生方にぜひとも目を通してほしい一冊である。
(2200円 教育開発研究所)
(中川 修一・前東京都板橋区教育委員会教育長)

