学校・保護者の間に「コーディネーター」 文科省シンポで紹介
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学校と保護者・地域の関係づくりに向けて文科省は21日、教育関係者向けのシンポジウムを都内で開いた。学校と保護者の調整役を担うコーディネーターを配置する自治体から、学校の負担軽減や、関係機関との連携強化につながった事例が紹介された。
冒頭は、愛媛大学大学院教育学研究科の露口健司教授が講演。信頼は壊さないようにするものではなく、「構築して、維持するもの」だと強調。「子どもをしっかり指導してくれる」という期待と、学校・保護者相互の協力関係が重要だと訴えた。保護者が必要とする情報をネガティブなものも含めて公開することや、PTA活動・学校行事の参加を通じて充実感が味わえることが重要だとした。
また、学校への期待度も協力度も高い保護者は子どもが毎日元気に通っていることや、来校の機会が多いことが特徴だと説明。一方、学校に依存しがちな保護者は、学校や周囲との関わりが弱く、子どもの発言に左右されやすいという。お客様気分な人も多いが、露口教授は今後このタイプの保護者が増えていくとの見解を示した。
講演後は、文科省のモデル事業に取り組む自治体の担当者は事例を報告した。
徳島県教委では、「いじめ・学校事故対応窓口」を設置し、学校管理職OBのコーディネーターの他、本年度からは県警から出向の少年補導専門員も配置している。スクールカウンセラーなどでつくる専門家チームとも連携しながら対応。学校が継続的にスクールロイヤーに相談できる体制も構築した。
成果について、警察など関係機関との関係性もできたことで、学校で抱え込まず、初期段階から介入できるようになったことを挙げた。今後は学校の対応力向上に向けた事例集も作成する予定だ。
奈良県天理市では、市の子育て応援・相談センター内の相談窓口に校園長OBや心理士を常時配置。弁護士や医師、警察関係者などの専門家チームの助言も得ながら対応しており、寄せられた相談には、毎日市長と教育長も目を通す。
学校をサポートする体制の構築は、教職員の負担軽減につながり、昨年度、時間外在校等時間が令和5年度から1割減。保護者対応が要因の休退職者も昨年度はゼロになった。
相談件数も落ち着いてきており、学級経営や授業力向上にチームで取り組むという意識の醸成にもつながっているという。
同省では本年度中にも事例集を作成し、公表する予定だ。

