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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第6回】

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講話では気負わぬよう自分に問いを

 慣れと空勢いは、講話には禁物である。講演を依頼される事が多くなっていたが、対象を間違えると、こちらの意図が届く前に退席されてしまう。全員へ感動を伝えられずとも自分らしく話すことは必要であり、それしかできない。
 ここで大切なのは「気負い」の問題である。それは瞬時に相手に伝わり嫌悪感になってしまうから恐ろしい。

 「今、自分は、気負ってないか」と自己への問いを何度も重ねることが大切であることを先日の講演会後の1枚のアンケートから痛感させられた。
 同じ話でも、自慢話に聞こえてしまうのは、話し手側に原因の一切はある。それは言葉以外の心の慢心が現れるからだろう。制御が難しいからこそ怖い。

 相手、すなわち聞き手をよく理解して相手の土俵にこちらから出向いて、仲良くなってから、こちらの土俵に案内することが話の持っていき方には必要なのかもしれない。
 これは授業でも生徒指導でも家庭でも国家間でも同じなのかも知れない。企業経営者、建設産業管理職、学校教員や管理職、保護者と対象が異なると、話の内容は変わるが、誠実な姿勢は変えてはならない。
 いかに好評を頂いても、「これで良かった」にしてはならないことはもちろん、飽くなきスキルアップを図るためにも、日々の授業で自己を厳しく鍛練せねば聞き手に申し訳ない。
(おおくぼ・としき 亜細亜大学特任教授。千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」