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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第10回】

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欲望を管理する

 性に対するコントロールが出来ないで欲望に走り、ワイセツ行為や不倫という噂や事実がよく話題になる。性欲に翻弄され、獲得したいという欲望で盗撮等の行為により、被害者を苦しめる。「自らの幸を捨て、人の福を奪う」行為が後を経たない。
 その本質は、外見では見えない「幼稚さ」や「慢心」から繰り返されると私は見ている。

 青年政治家の脇に、出産間近な妻の無表情が印象的であった。その繕いは滑稽にも見える。
 教師にもこうした男女のトラブルはある。教え子への強要などもよく耳にする。
 生徒指導は、教師同士の自制を基本にしているが、仲間に甘い体質があるため、うやむやにすると、崩れるのは早い。
 人間には様々な欲望が存在する。そのコントロールを真剣に教える教科は、今のところ存在しないし、教える教師も皆無ではないだろうか。ましてやニヤニヤ話すことではない。

 私は、様々な研修、講義、授業の中で、「下の始末はしっかりしろ」と、事例を挙げて厳しく指導している。それは、信じている者を裏切り、落胆させ、追い込んだ人生の傷は永遠に消えないからである。
 誰が見ていようが、見ていまいが、節度のない欲望に流された者の末路は、実に哀れなものである。「人を不幸にして、真の幸福は存在しない」。いくら「信じろ」と言っても、信じられない悲しさを与えてはならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」