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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第30回】

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カタカナ言葉による「脅し」

 カタカナを好む学者は多い。日本語にすると新しいイメージにならない為か、とかくカタカナにして専門性に色付けして上から目線で学校現場に容赦なく垂れ流す。
 真面目な教師ほど、新刊本を探し、研修会へ出向き、新しい知識を得ようとする。結果としてかなりのビジネスになる。翻って「カタカナ」が出なければ、本も研修会も必要は感じられない事は多い。

 こんなことも知らないの、これを知らないとこれからの教育についていけないよ、と脅し、煽り、踊らされる。結果として、学校現場をさらに煩雑多忙にしていることがはっきり分かる。
 不易と流行と言われるが、不易を基盤に流行や変化は意味をなす。実践を元に具体的な講師に質問をすると、慌てて「これまでもやって来ていますが」と、お茶を濁す。

 カタカナを分かりやすい日本語に直し、納得のいく説明を受けてから、カタカナにする理由を確認して頂きたい。そして、講師にやって示してもらうと分かりやすい。やれない講師は校内研修には好ましくはない。
 日本の教育は世界的に高水準にあるが、それは結果論であり、学ぶ楽しさや自尊心は低位にある。この改善がされていない。子どもの貧困、青年の自殺など深刻な課題にカタカナをいくら並べても解決はしない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」