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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第35回】

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管理職・学校経営

障害のない人はいない

 「発達障害のない人は居ますか」と私は研修会の冒頭にたずねる事が多い。笑いが出るが、本気で聞いている。その本意は、発達は様々で一様ではないからである。よって満遍なく発達している人とはどのような人なのか逆に教えて欲しいものである。
 発達障害という名称により、すべてがくくられてしまう恐ろしさがある。これに効果があるとうたう薬は数えきれない。営利などの為に作られた名称と私は理解している。

 精神科という科は、どうもはっきりしない。診察もほとんどがPC画面を見ながら薬の手配をして、お大事にで終える。薬の投薬が主のようで手術もないし、看護師にも人気らしい。
 全員ではないだろうが、医師の中にはセカンドオピニオンを嫌う傾向がある。患者主体の医療のはずが、医師が主体の現実になっている。発達障害に効く薬は多分に麻薬の成分に類似していると指摘される。確かに気持ちが良くなるのだからおかしくはない。

 誰も彼もがすべて人生の発達の途中であり、死ぬまでこれでよいとする人は存在しない。すなわち完成はしないはずである。ある意味、マイノリティは発達障害のない希な方をさすのであり、そのような方が何処にいるのかを教えて欲しい。私はこれまで障害のない方には一人も出会ったことがない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」