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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第42回】

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論説・コラム

 志村けんさんが亡くなった。父親は努力一筋の教師であり、柔道の猛者でもあった。彼は笑いの力に魅力を感じ、夢を貫いて多くの人々に笑いをたっぷりと届け早世された。
 その兄貴分に加藤茶さんがいる。先日、奥様との対談記事を拝見した。誰人も苦労や下積みの中から輝き出すことが分かる。
 あの「髭ダンス」を職員の出し物として謝恩会で披露した事を思い出す。盛り上がったが校長には叱られた。

 番組への賛否はあったが、エンディングに「歯を磨けよ!」などのメッセージがとても印象に残っている。今そうした小言をメディアで聴くことはない。
 人に文句を言ったり、批判をしたり、怒りを露にする事は容易いが、笑わせる事は難しい。人物観察には人一倍優れていたと聞く。

 「バカ殿」の当たり役はバカでは出来ない。人柄や苦労が味わいとなり爆笑を誘う。父親が厳格な教師であった。その父を笑わせたかったらしい。
 バイク事故から別人のようになった父、暗い思いをさせまいと明るく振る舞った母、父ありて、母ありて、今の命と報恩感謝の人でもあった。
 付き人から代役としてスタートし、体を酷使し、芸を盗んで覚えた。こうした鍛練から笑いを極めていった。亡くなって、人々の脳裏に残るものがその人の笑顔であり、感謝の姿でありたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」