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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第44回】

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ネット使えぬ子に打てる手は

 公園から子どもの声が聞こえる。懐かしい響きのようにも感じられるからかえって寂しい。
 ネットを使った学習が加速しているが、その環境のない子ども達へは手が打てるのか。雇い止めも加速している。しかし、正規雇用の中でも公務員はあまり慌ててはいないのではないか。すなわち給与保証があるからだ。また、そうでないと全体の奉仕者とはなれないだろう。
 しかし、この現状が長引けば、国民一同の痛み分けから、支出を抑えるしかない。よって安定収入を不安定収入へと回す必要が出ると思われる。

 蓄えもなく経済に困窮している家庭への影響は計り知れない。子どもの貧困が深刻な日本で急激に「子ども食堂」が増えている中でのコロナ追い討ちとなったのだから、水面下に起きている出来事は想像を越えるだろう。
 それが表に出始めた時の対策も考える段階に来ていると思う。批判に時間を費やすよりも、今そこにある危機と、その後の再生や対処に力を注いでもらいたい。人間の愚かさよりも、知恵を寄せあい、人類の難題を乗り越える勢いを増したい。その大人の姿こそが子ども達への未来を拓く道標となる。
 マスクが偶然売っていた。「一人ひとつ」と但し書きがあった。私が買えば、買えない一人をつくる。悩ましい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」