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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第72回】

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権力の魔性

 また、あの知事が本性をさらした。「指示」に従わないパチンコ店への対処で「県としてはこれ以上出来ません」という趣旨の発言があったようである。自分の責任は果たしたような言い分であった。法的にはそうかも知れないが実に情けないリーダーである。「人道」よりも「経済」を優先した法律であり、行政であることがはっきり分かる。これで道徳とか倫理とか子どもに説明がつくのだろうか。
 また、災害の時は床屋や自宅へ行き、県民の苦しみなど「我れ関せず」の醜態から、今回の答弁も「これ以上出来ません」で幕を引く、こうしたした保身のように受け取られる態度は、私利が先にあるからだろう。

 人は権力を持つと人格さえも変わってしまう事が多い。周囲の人がその役に頭は下げても、その人物を尊敬している訳ではない。それが分かっていても権力の魔性に侵されてしまう。ある意味、リーダーが「抜け作」な方が周りはやりやすいのも歴史から見ても事実であり、犠牲になるのはいつも庶民である。

 色眼鏡や偏りは気を付けねばならないが、青年は選挙で誰を支持するのか、今、しっかりと見据えて欲しい。あのヒットラーを選んだのはドイツ国民である。「選ぶ」と言うのは「選ばれる」ことでもある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」