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コロナ時代に考えたい学校問題【第14回】

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本を読み自分の羅針盤に

 今いる場所で勝負する。この姿勢こそが成長の基本になる。教師になって慣れてくると色気が出てきて、あれこれと手を出し始める。これで足踏みしたり不祥事を起こしたりする。そうした時期に身を引き締められる人に出会えれば幸いではあるが、そうでなければ今いる環境から学ぶ姿勢が必要である。

 いい気になって、調子にのって言葉や態度が横柄になる者が必ずいる。その要素は皆が持っている。だからこそ、ああはなるまいと心する機会にすればいい。また、時には「お言葉ですが」と反論する姿勢を持ちたいものである。利他でない慢心を見過ごせば、応援したことになる。

 必要な波風は、起こさねばならない。若者は生意気くらいが丁度いい。教育に停滞はあり得ない。その意味でも自分の中に羅針盤を持つことが必要である。それは名著に求めるとよい。何故なら、ぶれないからである。
 私も本紙の書評を担当して5年が過ぎた。評する事は、評される事である。いかに平常心で捉えられたかが文章となる。ぶれないためにも、よき本に触れて、その筆者の思いを汲み取り、羅針盤にするとよい。慢心者は概して本を読まない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題