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コロナ時代に考えたい学校問題【第17回】

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教員の「進路変更」

 教師になることを自ら望んでいても、教師にしてはならない学生がいる。また、すでに教師になっていても、即刻辞職させねばならない教師もいる。これが分かっていたら「貴方は、教師以前の問題がありますよ。具体的に話しましょうね」と、私は見過ごさないように、見逃さないように、説諭してきた。

 適性に乏しい事が明白でも、組合員が押し寄せてくる事は承知していた。そうした時の保険で組合費を払っていると話す教師もかなりいた。

 本人も子どもも同僚も辛くなっていることを見過ごす事は出来なかった。相手を肉親のように考え、辞職後の筋道も考えて私は「辞めて違う道を」と、かなりの教師に伝えてきた。その全員が退職されて、今もそれぞれの人生を生きておられる。良いことが出来たと今でも思っている。

 ある意味、自覚があっても踏み切れないでだらだらと続け、それを知りながらも、組合員だからといって権利のみを主張するやり方が、本来の組合の在り方なのだろうか。
 誰かの不幸の上に幸福を作ることは出来ない。そのことを、私達教師は自らの行動で教えねばならないのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題