日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

コロナ時代に考えたい学校問題【第25回】

NEWS

「親育」の義務化を

 「親育」を義務化してはどうだろうか。親になるとは、命を育み、養うことであるが、その準備が出来ないまま親になると自分のぺースが大きく崩れ、不自由さに慣れていない場合、ストレスは日に日に高まり、幼児への虐待へと発展するケースが多い。これは想定内の事であり未然に防げるはずである。
 父母の参加を条件に、親学級での研修を義務化しなければならない危機感を私は以前より感じていた。子どものような精神レベルの親が増えているからである。

 社会の常識も多様性や個人の自由が強調されるために、社会規範や秩序が危うくなっている。その根幹を成すのは小学校中学年までの教育にあると思えてならない。親にはどのような役割があるのかをこの年齢から学ばせたい。
 恋愛から結婚となって子どもが欲しいと考えるパターンがある。その選択は当事者に任され、コントロールもできる。しかし、安易さから想定を越える事態に陥って、子どもが居ることでDVに発展する事件が多発している。

 我が国は何か事が起きてから動くことが多く、先手の対策を苦手としている。子どもは未来から来た宝である。予防接種と同様に、子育ては親育てからと国を挙げ、如何なる業種も親になる前の義務として親育研修に出して家庭を安定させる必要がある。その研修を受けない場合や行かせない企業には、厳しい罰則を課す国の仕組みを、早急に整えるべきと私は考える。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題