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コロナ時代に考えたい学校問題【第39回】

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教える側から見た教員免許更新講習

 今年から免許更新講習の講師を務める事になった。学校教育における体験活動の意義が講習の主題である。県内外から異校種、異年齢の方が多く集まっておられた。
 「何のための更新なのか」を問うてみた。釈然としない。半分以上を演習にして、考えたり議論したりする手法を用いた。最初に行ったのは、ボヤキすなわち普段の鬱憤を吐き出させるセッションである。予定にはなかったが急遽展開した。何故なら言い知れぬ不満を感じたからである。これを出させないと、この後の話が頭に入らない。

 不満は当然である。弁護士や医師などには免許更新講習は課されてはいない。教職免許が運転免許レベルと見られている気もする。それも自費でやらされる。だから呆れる。

 ある意味、大学が収益を得るために、文句を言わない、言えない教師をターゲットにしたようにも思える。
 校長を務めていた頃、免許更新講習を受けた教師に感想を聞くと、かなり睡魔に襲われてしまうようだ。そのレベルのものであれば、文科省が力量のある教員を学校へ派遣して、授業を示範させ演習するようにさせた方が合点がいくし、実が取れる。それが出来ないような教員の講義を聞いて型どおりの試験を受けるのならば睡魔に勝てとは言えない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題