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コロナ時代に考えたい学校問題【第44回】

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最後の詰めで決まる教員採用試験

 教員採用選考試験の結果が出始めた。合格する学生と不合格の学生にはやはり明らかな違いがある。それは、肝心なところで手を抜くかどうかにある。よく最後の詰めで決まると言うが、その通りと毎年思える。
 採用選考の責任者を長年務めた経験から、目星は付くようになっている。ことに、この10年以上合否が全て的中している。
 1点差で何人も並んだ場合、一次の場合は多少多目に合格を出して、二次で絞り込むことになる。その際に一次の成績を考慮して二次に加えるかと、問われたことがあった。選考の有り様から、立て分けて加味はしなかった。
 しかし、二次試験で半数を落とさねばならないとなると、受験者が「出来なかった。仕方がない」と、納得できるように意識して対処することが必要になる。
 今でも忘れない「面接の達人」がいた。回答を掘り下げ、広げ、関連させて、人物を浮き彫りにしていく手腕は見事で、私は手本と仰いだが、人間力が貧弱で足元にも及ばなかった。
 今、求められる教師像は、果たしてどういう資質と力量を持つ者なのか。それは面接官自体の人間性や力量にも大きく左右される。
 この夏、その二次試験が課される。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題