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コロナ時代に考えたい学校問題【第46回】

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目標となる大人と出会いたい

 教員採用試験の面接で、教師に向くか、向かないかと聞かれたときに、はっきり思っている事を言えるだろうか。そこをすり抜けて、明らかに人格障害と思われる人や情緒不安定の人に出会うことは少なくない。
 こうしたある意味不適な方がその職につき続けるのは何故だろうか。生活のためか、自覚が無いのか、指摘をされないからか。
 望ましい教師に会えることは児童生徒にとっては人生の羅針盤になる。その逆は、乗り越えるか、傍観するか、立ち向かうかになってしまう。社会には多くの人間関係での試練が待ち受けている。その訓練とすれば、劣悪な環境も意味のある事になるのかも知れない。
 しかし、何人かに一人ぐらいは、「ああなりたい」という先生や大人に出会いたいものだ。最近とは言えないかもしれないが、「ああなりたい大人」が少ない気がしてならない。
 ああはなりたくないと思える大人が、テレビにはよく登場する。すなわち、無責任に評論する諸氏である。
 特に教師にあっては、あなたの教師としての「師」は誰ですか、と私は聞くようにしている。気を付けねばならないが、おだてられていい気になって、自らが師になった瞬間から暴走が始まり、人生の羅針盤をなくすものである。それは人の常かも知れないが、確実に潮は引いていく。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題