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コロナ時代に考えたい学校問題【第53回】

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「やらねばならぬ」が行動に

 先日、「教授」と呼ばれてハッとした。また、そんな気になっていない自分に気が付いた。「先生」と呼ばれると、自分の事かと感じる。「さん」と呼ばれるとさらに親しみをもって話してくれたと感じられる。

 しかしだ。「先生」とか「教授」とか呼ばれる自分は、その資格があるのかと考えてしまう。今は、以前のいい加減さから脱し、多少は誠実になってきたが、未だ心の片隅に慢心もあり、プライドもあり、欲もある。恨みのあった人物が不幸になると「やっぱり」と考えてしまう所が残っている。
 実に低俗で、とても「先生」や「教授」と呼ばれる人間ではないと今でも思っている。しかし、そんな不出来な私を慕ってくれる物好きな人もかなり存在しているから有難い。

 不登校の子ども達を連れて富士山登山を16年継続している。学校と地域をまとめるために、「上総掘り」という手法を使って防災井戸を何本も掘り、ビオトープも設けた。障害者就労支援の薬膳料理店も開いた。
 そして今度は、ウイルス対策に光触媒の代理店を行うことにした。すべてやりたくてやったのではなく、やらねばらならないと感じて行動した事である。この9月からは新松戸倫理法人会の会長として、事業者の自己革新を図る経営者集団のリーダーとなる。

 教師と言う職業は、すべてに通じるものがあるとつくづく感じられる。多くの出会いに感謝するのは勿論だが、ともかく今いっそう感謝すべきは妻である。最近はその偉大さが身に染みてきている。戦後75年、66歳の夏を迎えた。やらねばならないことはまだまだありそうだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題