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コロナ時代に考えたい学校問題【第70回】

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新総理の誕生

 新総理が就任した。それが庶民にどの程度意味があるのだろうか。71歳で総理になりたいという心意気には恐縮してしまう。年のわりに政治家は比較的若い気がする。その理由は何だろうか。使命感か、我欲か、はたまた行動力かと感心してしまう。
 それにしても政治への関心が失われていく青年層への手立てが未だに打たれていない。青年が次代を作るのだから、何としても関心を持ってもらいたいと思うのが国民の総意ではないだろうか。

 カリキュラムを見ても、その手立てが打たれているとは思えない。コロナ禍で学習内容が削減され、主権者教育が外されることが心配である。現状では、党派の主張などを並べて論議する「リアル」が難しい為に、モデルでやるしかない。家庭でも、政治論議はそれほどないだろう。
 誰がリーダーになっても大して変わりがないと言う慢性的感情は、いつまで続くのだろうか。閣僚人事を見ても、議員のキャリアのひとつに過ぎないようにも思える部分がある。副大臣や政務官と話すと意外に話が理解されるのに、学校現場に降りてくると、内容が複雑になり、事務量が増している。もっとシンプルに出来るのに何でなのか。
 文部科学省には、他省庁の顔色を見るのではなく、次代をつくる青年層を見て、教育を最重視した行動を鮮明にして頂きたい。新総理が苦学、叩き上げと言われるのなら、教育への手立ても「さ菅(すが)」と言わせる指揮に期待したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題