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コロナ時代に考えたい学校問題【第99回】

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教師への情報発信

 業界には様々な新聞がある。思想や政治色に片寄らないとして、日本経済新聞を基準にしている会社員は多いと聞く。では、学校教師はどうか。この業界には、新聞は僅かしか存在しない。しかし、その情報量は日刊紙にしてもよいほどの内容があり、多様な変化や様々な実践が紹介されている。どれひとつとってもそこに絡む教師や児童生徒は多く、わずかな紙面に収まるものとは思えないものばかりである。これをまとめる記者のスキルの高さには毎回敬服させられる。
 正直、教師は日々の授業に追われて、早目にキャッチしなければならないことを保護者や子どもそして家族から知らされて慌てる事が現役の頃多くあった。
 管理職になり、校長室で新聞を広げ、その中から先生方に伝える事はあったが、教委や校長会からの連絡が主で、文科省の施策打ち出しや教育の動向などは、おさわり程度でガラパゴス状態であったように思える。

 寸暇を惜しんで本も読んだが、やはり旬の情報を発信伝達出来なかった事は間違いないと反省している。ある意味、学校、そして教師は一番情報が届くのが遅いと言われても仕方ない現状は、この数十年変わってはいないのではないだろうか。
 子どもの方が教師よりも早く情報を得ている事が頻繁になってきている。ますます高速化する情報化社会を生きる子どもを育むには、何としても教師への情報発信を急がねばならない。それに加えて教師の心の豊かさも再生出来るような「今、教師に求められる」「教師を元気にする」情報発信番組を企画思案している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題