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コロナ時代に考えたい学校問題【第109回】

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いじめ自殺で口を閉ざす前に

 自殺と見られる子どもの死が続いている。ある報道機関によると、近畿地方の小学生が昨年、「死ねと言われた」などといじめを受けていることをうかがわせるメモを残して自殺していたことが分かったという。この報道の通りなら、いじめがなかったとはならないだろうが、ニュースだけを読んでも前後関係がみえない場合がある。また、意図的にストーリーを作られて記事にされる場合も少なくない。
 この事案では、これまでと同様、第三者委員会が専門家によって作られて検証が進むようだが、検証の結果は期待はずれがあまりに多い。親としての憤りをおさめてくれるものとはならないことがほとんどで、死んだ子どもは何をしても帰っては来ないと諦めさせ、白黒なくグレーのままで終わらせる事になる。
 事が起きると、関係者は一斉に口を閉ざす傾向がある。よって解決はさらに困難になる。
 だからこそ、こうした事が起きない、初期段階での解決に力点をおいて、実効性の高いシステムを構築すべきである。この点がまだまだ不十分である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題