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コロナ時代に考えたい学校問題【第135回】

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世界共通教育宣言の時来る!

 建築家の安藤忠雄氏が年頭に若者へ贈った記事を見た。ファンの一人として心地よく共感させて頂いた。「地球は一つとの感性、共に生きるとの行動」というメッセージであった。中でも、この危機下において求められるのは、「この先の日本、世界はどうあるべきか、そのために今何をすべきか、という根本に立ち返ったビジョン、新しい価値観を作ることではないか」という呼び掛けであった。
 今まさに、国同士がせめぎ合う、奪い合う、騙し合うのではなく、宇宙船地球号として、地球儀の視点で考え行動する事が求められている。宇宙飛行士の野口さんが宇宙船から冠雪した富士山を見て、「美しい龍に見えた」と伝えていた。視点を変えるとそう見えるのだろう。
 こうした宇宙の視点から考え行動する事を私達はこれまで学んで来たであろうか。理科や地学等で知識としての範囲で学んだかもしれない。それは手段としての学びではなかったではないだろうか。あえて深掘りするのならモラロジーを提唱した廣池千九郎博士はその視点を最高道徳として膨大な論文に残されている事実を私は最近知った。
 時を得て、この1月22日に、グローバル教育研究所から「世界共通教育宣言」が発せられる。その意図は、世界で起きている分断を日本から止めるために、宇宙からの視野で地球を学ぶ7つの視点と動画で現在の義務教育の15%をそうした学びにすることにより、持続可能で共存共栄を、無理なく、そして興味深く学べる動画テキストの完成披露となる。私も登場させて頂く予定になっている。コロナ禍の為にライブ配信になるが、これまで書き綴った本誌コラムの思いもあるので、信念をもって臨ませて頂く。
 安藤氏は語る。若者よ、考える力を磨き「覚悟」を胸に進もう、と。これは教師として今、最も意識して置かねばならない事ではないだろうか。
参照URL=https://global20210122.peatix.com/
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題