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コロナ時代に考えたい学校問題【第140回】

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中国化の危機

 今の日本は、やがて中国の一部になるだろうと言う人が年々増えている。以前は、そんなことはないと気にもかけなかったが、それもあり得ると考えるようになった。
 特に北海道の水資源や日本の観光地施設が中国の資産家へ売却されているからである。今の勢いが続けば、自給率も低く人口も減りゆく日本に優位な事は見当たらない。
 日本は留学生への支援が手厚い。一方、日本の学生さんはバイトに追われている。
 中国からの留学生には確かに向学心があり、ハングリー精神にも満ちているが、すべてが日本国の利益になるとは言えない。
 やがて日本が中国化して地図の中から中国領扱いされることになると言っても笑えない状況が起きている。それを危機として捉えても、米国任せの状況では間に合わないようにも私には思える。近い将来、中国国歌を歌うようになるのではないだろうかと、本気で考えてしまう。
 その意味では、外交力や発信力を倍加していかねばならない。危機感を唱える論者は多いが、それを私利と売名に使い、行動は乏しい。
 一丁目一番地は、教育にある。提案したいのは、他を尊重しながら共存共栄していく事であり、具体的には、文化交流として宗教団体の大同団結に期待したいのである。既成組織が「何のためか」を共有して分断を止める事が人類唯一の希望と考えている。
 それは政治や経済の足し引きでなく、人類の世紀として共存共栄の為の地球宗教基盤を持つことによってのみ、この窮地を乗り越えられると信じる。それぞれの教義教典の一部を相互に咀嚼して、利他と人権を尊重し、愚かな権力闘争にならぬよう分かりやすい制御システムを構築せねばならない。
 それをもって現在のSDGsは、加速度を増して実現し得る域に至るのではないだろうか。そして、こうした学びは義務教育段階で行うべきものであると私は提言したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題