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コロナ時代に考えたい学校問題【第144回】

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論説・コラム

過去の経歴より、今、何をするか

 ある元大臣が、今の教育に足りないのは、○○であると声高に話していた。それに気が付いているのなら、あなたが何故先陣を切ってやらないのかと問いたい。
 政治家は市民との約束を提示し、支持され支援を受けて当選しているはずである。理想ばかり並べて、実行しない講釈師やぺてん師になり下がってはならない。批判の為の批判しか出来ない者により、判断が遅れて国民が犠牲となる。
 犠牲者が出ないと動かない政治家や行政では、存在価値がないのではないだろうか。失態を見せても辞めないし同じ職に平然と止まる不思議がある。恥を感じないのだから高学歴の弁護士や医者や官僚などと言っても、私利に走る下劣な本性が見えてしまう。
 人としての根本が教えられていないし、人としての是々非々が身に付いていないのである。有能な人材を育てる「○○塾」の肩書きを掲げても名前だけの目だちたがり屋の恥ずかしい人物はいる。
 過去の経歴はどうでもいいので、今何ができるか、今何をするかに人の心の置き所がはっきりと見えてくる。ここを深掘りして、論議して、教えるのが本来の主権者教育なのではないだろうか。目的を教えるのであって、方法を教えるのではないはずである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題