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コロナ時代に考えたい学校問題【第162回】

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「せめて高校は」の思い、公立が応えよ

 私立校と公立校の違いは何だろうか。何故に同じ学びをしているのに学費が異なるのだろうか。
 国立大の学費が安価なのは何故なのか。卒業生が国に奉仕する使命があるからと聴いたことがある。それに比較して私立は割高になる。
 公立の高校では退学を減らそうと努力をして、通信制高校へと転校させ退学とはしない手法を取っている。しかし、私立の通信制高校となると学費はかなり高くなる。払える家庭ならばまだよいが、生活もぎりぎりになる家庭は少なくない。せめて高校ぐらいはという社会の風潮は根強いからである。
 さらに、通信制に移っても、通えない、やる気が出ないで、学費だけ払い続けている場合がある。駅前に多くの通信制高校が林立しているのは、高卒資格を取らせたい親の思いにより成り立っているのではないだろうか。
 これは本来、公立がすべき役割ではないのかと私は思えてならない。ひとりも見捨てないと掲げるならば実態と施策が一致しない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題