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コロナ時代に考えたい学校問題【第168回】

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減給処分への疑問

 不祥事があった際、給与を減らされる事で処分が終わるという報道がいつも気になってしまう。お金を出せば済むことだろうか。その罪状はお金の問題とは到底思えないのに、それで済ませる事が一般化している。これは明らかに間違いである。何故なら子ども達に「お金を出して済ませられるのよ」と、教えることになるからだ。
 そのような場合、社会奉仕を数年課すようにしてはどうか。そうして、身に染みる事がなければ、反省しないだろう。元々余力のある者は給与が減るだけでは痛手にならない。
 社会奉仕にも様々ある。駅前のゴミ拾い、公衆トイレの掃除、公園の遊具磨き、さらに学校のトイレ掃除を課すとよい。数年継続とし、出勤前の1時間を当てる。こうした経験・体験を課さないで、金で済ますやり方は、次もまたお金を払ってねと言われているようなものである。
 保釈金にも疑問を感じる。毎回こうした事がされると、私達の感覚は麻痺してしまう。罪は金次第の法律なのであれば、人としての改心など出来ない。真の意味で、法は形上で人を裁けども改心はさせるものとはなっていない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題