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令和7年通常国会質疑から【第10回】

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行財政

 国会では、法案審議のほか、議員が提示した課題に対して政府の見解をただす一般質疑が行われている。今年の通常国会質疑のうち、5月15日の参議院文教科学委員会では、高校授業料無償化に関連し、高等学校等就学支援金の支給対象を海外の公立高校に通っている日本人に支給することへの見解を尋ねている。

海外の高校に通う生徒への就学支援金支給対象

 金子道仁氏(維新) 就学支援金の支給対象の範囲について、現在、議論が起きている。日本の公立高校に通う外国籍の留学生には就学支援金が支給される一方で、日本国籍を有し、海外、例えば米国の公立高校に通っている留学生には支給されていない。これは不平等ではないかという指摘があり、私自身も一理あると考えている。
 現行制度では、一条校や文科省が定める学校に在学し、日本国内に住所を有する生徒を対象としているが、これは学校を指定する仕組みであり、個人を直接指定する立て付けとは異なる。
 例えば、日本国籍を有する者、あるいは外国籍であっても長期在留資格を有する者など、文科省令で定める個人を支給対象とする制度設計に改めた場合、どのような課題や論点があるのか伺いたい。

 文科省初等中等教育局長 現行の高等学校等就学支援金制度では、法律第3条において、高等学校等に在学する生徒または学生で、日本国内に住所を有する者を受給資格者としており、国籍要件は設けていない。
 仮に、外国籍で長期在留資格を有する者など、在留資格を支給要件とする場合には、その資格をどのように確認するのかという実務上の課題が生じる。現在、都道府県が法定受託事務として所得確認などを行っているが、在留資格を短期間で適切に確認する方法の整理が必要となる。
 また、法律上の手当ての在り方や、就学支援金制度の趣旨そのものとの整合性についても、大きな検討課題があると考えている。
(議事録を要約)

令和7年 通常国会質疑から