令和7年通常国会質疑から【第12回】
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国会では、法案審議のほか、議員が提示した課題に対して政府の見解をただす一般質疑が行われている。今年の通常国会質疑のうち、5月28日の衆議院文部科学委員会では、片耳難聴児への補聴器支援についての見解を尋ねる質問があった。
片耳難聴児への補聴器支援
佐々木ナオミ氏(立憲) 医師不足の中で学校健診を担う医師の確保が難しくなっている。集団で行う学校健診の在り方そのものも、見直す時期に来ているのではないか。多面的な議論を求めたい。
最後に、片耳難聴の児童生徒への支援について伺う。軽度・中等度難聴児を対象とした補聴器助成制度は各都道府県で行われているが、内容はばらばらで、片耳難聴の子どもが対象外となるケースが少なくない。
片耳が聞こえるから問題ないということではなく、言語習得やコミュニケーションに困難が生じるほか、音の方向が分からず、通学時の安全面でも課題がある。補聴器は高額で、成長に応じた買い替えや電池代など、経済的負担も大きい。
デフリンピック開催を機に理解が進むことを期待するが、特に理解されにくい片耳難聴児への支援について、国として取り組むべきではないか。
こども家庭庁審議官 障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度では、補聴器を含む補装具の購入費用の一部を支給しているが、対象は高度・重度難聴用の補聴器が必要な方に限られており、片耳難聴の子は対象外となっている。
一方、こども家庭庁としては、片耳難聴の子も含め、専門的支援が必要な聴覚障害児とその家族への対応は重要だと認識している。聴覚障害児支援中核機能強化事業を通じ、地域の支援体制の整備・強化を進めている。
今後も、一人一人のニーズに応じた専門的支援を強化し、ライフステージに応じた切れ目のない支援の実現に向けて取り組んでいきたい。
(議事録を要約)

