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東日本大震災から8年(1) 小学生が「はかま」で卒業

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 東日本大震災の発生から8年を迎えるのを前に本紙記者は17日、宮城県に入り、震災後の状況について取材を始めた。今回の目的は、東松島市と岩沼市の教育長にインタビューを行い、両市の学校の様子や、震災発生当時の模様を聞くと共に、東松島市では市長にも会う。
 元宮城県議会議員の渥美巌さんは震災後に市長へと転身。昨年は、国連が定める「持続可能な開発目標」を推進するSDGs未来都市として認定を受けるなど震災からの復旧を越えてさらに一歩を踏み出そうとしてきた。
 そんな渥美さんは昨年末、小学校の卒業式で、高額な「はかま」を着用する児童が多いことに疑問を投げかけた。学校によっては女子児童の9割ほどを占めるという。震災の影響もあり、就学援助を受けている家庭は少なくない。はかまで出席したくても出席できない子、無理をしてはかまを調達する家庭などへの配慮から、市長は市議会で、「華美になりすぎているのでは」などと発言した。
 1時間のインタビューでその思いを改めて聞くことができた。
 仙台市と東松島市などを結ぶ鉄道路線は津波で線路が寸断され、路線の一部を高台に移して全線再開した。これに伴い、移転した駅の前には真新しい住宅が立ち並ぶ。震災のことを知らない人が見れば、美しいニュータウンだ。紙面では、そうした新しい生活の中に見え隠れする課題を提示していく。

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