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コロナ時代に考えたい学校問題【第32回】

現場を見ることの大切さ

 学校でソーシャルディスタンスが出来ていると誰が考えているのか。最初は意識していても、なし崩しの現状になっていることを知っているのだろうか。
 マスクをしているだけで、密になっている姿を徹底的に注意して叫び続けているだろうか。そうした学校もあるだろうが、大半はなし崩しの状態になってしまっている。所謂、根負けである。
 学校を出たら平時と同様に歩いている姿に違和感を持ちながらも誰も諌めない。握手をしたり、友達とブースでお喋りする姿を見ると、この不徹底に有名無実を痛感する。「赤信号、皆で渡れば怖くない」が、あちらこちらに見られはじめているわけだ。
 一度、タガをはずせば勢いは止まらない。その中で都知事選挙もあり、連日100人越えの二次感染が起きている。
 学校は世の中で子ども達を一番密集させる場所と言えるかもしれない。そこが一番不衛生になっている事を指摘したい。
 何度掃除をしても配管の老朽化でトイレの悪臭が廊下に流れ出る学校があった。あのトイレの悪臭を嗅げば、配管工事の必要性は誰もが合点するだろう。何事も現場に来なければ分からない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題