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コロナ時代に考えたい学校問題【第105回】

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通知表への誤記載が判明したら

 これはいただけない。ある自治体で通知表への誤記載が相次いで発覚した。報道によると、校長は「謝罪と差し替えで理解が得られた。報告して公になることで生徒や保護者、学校運営に影響があると考えた」と話しているという。
 隠しても必ず出るのだから、潔く謝罪する事が一番である。そうさせないのは、本人たちのみに原因があるのだろうか。

 成績の誤記入などは、どの学校でも起きてきたし、起きていると言ったら驚かれるだろう。しかし、訂正して謝るからそれ以上の問題にはならないのではないだろうか。
 私も担任の頃に多くのミスをしてよく謝っていた。ある時などは、通知表への記入が間に合わないで終業式後に届けた事もあった。言い訳をするなら、それまでの表記はありのままを記していたが、ある時から厳しいことは書かないようにと指導があった。そうなると無理やり文章を書くためペンが止まるのである。指導要録には書いてよくて通知表には書かないという、私からすれば偏った配慮に思えた。
 子どものころの私の通知表には、「落ち着きがない」「物忘れが多い」「情が深い」の三点が小学校1年から中学校まで一貫して書かれていた。その通りだから納得している。
 人のやることだから間違いは、必ずある。だからこそ、ごまかさずに誠実に対処する事が一番なのである。自分の損得を計算に入れた段階で先は見えている。愚かな事だ。他の職員も知っていたなら同罪である。指摘もしない臆病者は教育現場から即刻去って頂きたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題