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コロナ時代に考えたい学校問題【第107回】

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わいせつ行為の残酷さ、痛感が必要

 教員の不祥事が止まらない。その度に任命権者は綱紀粛正を図ると発言するが、残念ながら効果は見られない。頭の下げ方を練習していたのか、実に見事に揃っていた場面を目にした。偶然なら素晴らしいが、下世話ながら慣れているようにも見られてしまう寂しさが感じられた。
 さて、教え子に手を出すという教師は探せばそこここに存在しているのではないだろうか。それがネットによって加速度を増しているように思える。
 結論からすると、性欲の成せる不適切な行為は無くなることはないだろう。起きるものとして対処しなければ予防は出来ない。起きては困るものでは、後手になる。
 この瞬間も、見つからないで助かったと思い、関係を解消している者もいるだろう。いじめと同じように、「いじめは無くならない」と、捉えて予防する事が必要なのである。教師で言うなら、教員養成段階か初任の時に必須として、可能ならば、その被害者に語ってもらうことである。人を不幸にする事の残酷さを痛感させない限り、理性で欲望のコントロールはできない。
 私が多くの経験からまとめた「大久保式予防プログラム」がある。これを学生達に体感させている。それにより不祥事は明らかに減るだろうが、悔しいかな、無くなることはないと思っている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題