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コロナ時代に考えたい学校問題【第183回】

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公文書改ざん、処分に疑問

 《教員が公文書改ざん 教頭が指示、校長も黙認 千葉市の中学校 「保護者に責められるのを避けるため…」》(千葉日報)という見出しの記事が掲載された。詳細は分からないが、読んですぐに、この処分が適当かと感じられた。
 黙認した校長は懲戒処分で、改ざんした教員と指示した二人を文書訓告にしているという。この意味合いが額面通りならどうも理解に苦しむ。
 実行した教員と指示した二人は文書訓告であり、履歴に残らない処分だったのに対し、校長は戒告の懲戒処分なので、履歴に明記される。すなわち管理責任を重くしている訳である。
 果たしてこれはどういう基準の上での事だろうか。そして、この三者のなかで一番責任の重いのは本当に校長だろうか。
 私ならば教頭の指示を一番悪質で重くとらえるかもしれない。その時点で防げたものであるからだ。他にもこれらの判断にくみしたものが居るなら、全員を同じ処分にしてはどうだろうか。
 それをしないのは、管理責任者として校長を処分し、教頭は管理職ではないと理解されたからか。校長のみが管理職で、教頭は字のごとく教員の頭であるから管理職と見なされない側面もある。
 こうした案件を把握できなかった教委の責任は何もないようにも感じられる。こうした場合の対処について、処分で終わらせるのではなく、どうすべきだったか。再発を防ぐには何が必要かを徹底して分析して活かすことが重要に思われるが、これをしない。出来ない教委はそこかしこに存在しているように思えるのは気のせいだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題