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一刀両断 実践者の視点から【第241回】

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市長のタバコポイ捨て

 高いタバコ代になってしまった。《「たばこポイ捨て」岐阜・高山市長、自身の給与減額を検討》(岐阜新聞社)という見出しのニュースから見える人間の愚かさを感じられる。誰も見てはいないだろう所で人の素の姿が現れる。無意識にやってしまったと言い訳をしているが、それが本質にあると言う事にもなる。すなわち一時が万事で普段は繕っているという証明にもなるからだ。
 こうした行為は自分だけが知っていて、そこを自制して改められる人物でないと要職には向かないだろう。今回の事が身に沁みて自己反省出来たら市長ではなく人として良い気づきになるだろう。
 こうした事が他国では話題にもならないように思える。それほどまでに日本は道徳の基盤が残っているという事なのか、はたまたそうした落ち度を探して拡散して、してやったりと思う輩が増えたからなのか。シンガポールのような罰金を課さずとも出来る日本でありたいが、他国へ求めるのは困難のように感じられる。その意味では世界に冠たる道義国日本なのかも知れない。
 子どもたちはこの市長の行為をどう受け止めるだろうか?そして教師はこの事をどのように教えるのだろうか。現実を教材化して考えさせるには政治への関心も含めて貴重な素材になるだろう。それをした場合、校長や教委はどう判断するか聞いてみたい気がする。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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