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令和7年通常国会質疑から【第4回】

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行財政

 国会では、法案審議の他に、議員の提示した課題に対して政府が見解を明らかにする質疑が行われている。今年6月に閉会した通常国会のうち、教育関係の一般質疑の模様を紹介していく。3月13日の参議院文教科学委員会では、学習指導要領の改訂に関連し、内容削減についての考えを文科省に尋ねる質疑があった。

学習指導要領の内容削減

 平木大作氏(公明) 昨年末、中教審の方に対して学習指導要領の改訂に対する諮問がなされまして、今この議論が始まっているわけですけれども、この諮問の中で、特に、今の御答弁とも通じるところありますが、子供一人一人の可能性が輝く柔軟な教育課程編成を促進する観点での検討ということが求められております。
 改めて、ここの、学習指導要領の中に、この一人一人に合った学び、しっかり可能にするような形で込めていただきたいと思いますけれども、ここの点について文科省としてどういう取組をしているのか。
 また、ちょっと併せて聞いちゃいますが、この学習指導要領というのはどうしても内容が多過ぎるんじゃ、過多じゃないかと、要は、また教師の負担がちょっと大き過ぎるんじゃないかみたいな指摘もあったりするわけですが、この改訂に際して、そこの、特に教員の負担軽減という観点から何かお考えあれば、是非併せてお示しをいただけたらと思います。

 初等中等教育局長 子供たちが誰一人取り残されないよう、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の編成を促進することは大変重要な課題であると考えてございます。
 現行制度下でも、各自治体あるいは学校で様々な取組がされているところでございますけれども、その中では、時間割編成を工夫しまして、午前は教科等の授業を実施して、午後は時間を個々の児童の関心に応じた探求活動に充てる取組でありますとか、工夫を凝らした校舎を生かして、学ぶペース、あるいは方法、場所など、子供たちが教師の指導の下で自らが選びながら学ぶ取組などが行われてございます。一人一人に合った主体的な学びを推進する観点から今回の指導要領も検討してまいりたいと思ってございます。
 教員の負担感ということも御指摘いただきました。質の高い教育を実現していく上では、やはり教師の力量によるところが大きいわけでございますけれども、全体としての教育課程の実施に伴う負担の指摘にも今回の指導要領の改訂では真摯に向き合っていく必要があろうかと考えてございます。
 その際には、今、年間の標準授業時数は現在以上に増やさないことを今の、現在、前提としながら、学習指導要領やその解説、教科書、入試、教師用指導書などの影響も含めました授業づくりの実態を全体として検討いたしまして、負担感が生じにくい在り方の検討を今中教審でもお願いしているところでございまして、全体として教育の質の向上につながると、子供たちの学びの、先ほどから出ています充実につながるような、そういった指導要領の在り方も考えていきたい。
 また、指導要領というのは教育課程の大綱的な基準でございますけれども、この中身は教師だけが分かっていればいいというものではなくて、多くの方々あるいは生徒等もある程度、この教科書で大体その具体が見えるわけですけれども、理解をやはりしていくことが必要であって、分かりやすい指導要領というものを目指したいというふうに考えているところでございます。

令和7年 通常国会質疑から