日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

特別の教育課程、理数教科から 個人探究や民間プログラムに参加 特異な才能WG

NEWS

中教審

 中央教育審議会教育課程部会の「特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ」は13日、第3回会合を開いた。特別の教育課程を理数教科から導入する案や、その具体的な活動内容と実施上の基準などについて協議した。
 まず通常の教育課程での支援を検討し、それでも不十分な場合に特別の教育課程の対象とする方針を確認した。事務局は「制度ができても、ただちに全国で特別の教育課程の編成を求めるものではない」と説明。事例を積み重ね、段階的に広げていく考えを示した。
 特別の教育課程を算数、理科から始める理由としては、日常的な見取りや心理検査によって特異な才能を判断しやすい点が挙げられた。
 また特別の教育課程で行う活動を「対象活動」と呼ぶことも決めた。具体例として、

 ・上位の校種での先取り学習
 ・大学などと連携した個人探究
 ・研究機関や民間が実施するプログラムへの参加

 ―などが提示された。
 対象活動を実施する場合、相当する教科と置き換えることができる。教科横断的で特定しにくい場合は、総合的な学習の時間で扱う。
 特別の教育課程が適切な内容かどうかの基準として、

 (1)受けられなくなる授業の学習内容を身に付けられること
 (2)学習上の困難が解消・軽減できること

 ―の2点を挙げた。
 注意点として、本人や保護者の意向を丁寧に確認することや、対象活動が入試対策とならないよう配慮することを求めた。
 会合では、主査代理の角谷詩織・上越教育大学大学院教授が発表。特異な才能のある児童・生徒への個別最適な学びには、

 (1)適切なペース
 (2)やりがいのある課題
 (3)同程度の能力のある仲間との学び

 ―の3要素が不可欠だと説明した。
 また実施対象となる子どもについて「授業に退屈していれば、すぐに特別の教育課程が必要となるわけではない」とも述べた。

中教審

連載