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こう変わる 高校の教科・科目構成 (4)

8面記事

高校

外国語

 グローバル化の急速な進展に伴い、「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能の能力を総合的に育成し、学んだ知識・経験を生かして発信力強化へと転換を図ることが検討されているのが、外国語活動である。

発信力強化へ4技能を総合的に育成
実際の言語活動で使える力
次期指導要領で明確化を

 既に国の第2期教育振興計画(平成25年度〜29年度)には、外国語学習による成果目標として、高校卒業段階では「英検準2級〜2級程度」以上の達成者割合を生徒の50%としている。
 また、文科省の有識者会議は同じく高校卒業段階で英検2級〜準1級、TOEFLiBT60点前後以上、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB1〜B2レベルなどを目標設定に提案している。
 27年度の高校生英語力調査では、CEFRのB1〜B2レベルの手前に位置付くA1、A2段階にとどまっており、設定目標への道のりは、なお遠い。
 次期学習指導要領の議論では、学習意欲、学校種間の接続などの課題に加え、特に、中学校・高校ではコミュニケーション能力育成を意識した取り組み、「話すこと」「書くこと」などの言語活動、習得した知識・経験を生かして伝える相手、目的・場面・状況などに応じて適切に表現すること―などに課題がある点が指摘されてきた。
 そのため高校では、外国語の学習を通じて、言語の働きや役割などを理解し、外国語の音声、語彙(ごい)・表現、文法を、4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)において実際のコミュニケーションの場面で運用できる技能を身に付ける▽コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じて、幅広い話題について、情報や考えなどの概要・詳細・意図を的確に理解したり適切に表現し伝え合ったりするコミュニケーションを行う力を養う▽外国語を通じて、聞き手・読み手・話し手・書き手に配慮しながら、自律的・主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る―などと、育成すべき資質・能力を示し、検討している。
 現行学習指導要領でも4技能を総合的に育成する観点は打ち出されてきているが、次期学習指導要領では「語彙や文法等の知識がどれだけ身に付いたかということだけでなく、習得した知識・技能が実際の言語活動において活用され、思考したり表現したりすることを通じて育成すべき力を明確にする」。
 その際には、育成すべき力について、CEFRなどの「国際的な基準」を参考にしつつ、段階的に実現する指標形式の目標(CAN―DO形式の目標)として設定することを構想する。

英語科目の改訂の方向性として考えられる構成(たたき台)
英語科目の改訂の方向性として考えられる構成(たたき台)

受信・発信のバランス考慮
英語コミュニケーションI(仮称)学びの定着図る

 高校生の英語力、外国語指導上の課題などを踏まえて、科目構成の見直しを提案。その改善・充実の方向として、高校卒業段階で求められるレベルは「必履修科目」によって「外国語を通じて、情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする力」を身に付けさせる。目標としてはCEFRのA2レベルから選択科目でB1レベル相当を想定する。
 また、留学や進学などより高いレベルを求める生徒、B2レベルを目指す生徒に配慮し、専門科目の在り方、学校設定科目などで対応するとした。
 現状の授業で言語活動の比重が低い点を改善できるよう、4技能総合型(必履修科目も含む)の科目、発信能力育成型(「発表、討論・議論、交渉」などにおいて、話したり読んだりしたことを活用して話したり書いたりするといった、技能統合型の言語活動が中心)の科目の在り方を提示する。
 さらに中学校段階の学習が十分に定着していない現状に対応し、「必履修科目(特に学習の初期段階において)共通で学びなおしの要素を入れる」などを検討している。
 具体的な科目構成としては、現行の「コミュニケーション英語基礎」から「コミュニケーション英語I・II・III」を見直し、「英語コミュニケーションI・II・III」(仮称)へと改訂する。
 中学校段階の学びの確実な定着では、現行の「コミュニケーション英語基礎」の要素を、「英語コミュニケーションI」(仮称、必履修)に組み込み、見直す。
 「英語コミュニケーションI・II・III」(仮称)では受信・発信のバランスを考慮し、4技能を総合的に育成し、学習内容として目標と課題(タスク)の明確な提示、「聞くこと」や「読むこと」による英文からの情報や表現の取り込み、課題解決のための言語活動の流れなどを例に挙げた。
 取り上げる話題についても、日常的なものから時事・社会問題まで生徒の興味関心が持てるものまで幅広く提供するなどとしている。
 現行の「英語表現I・II」を、4技能を活用しつつ「話すこと」「書くこと」の技能を中心にした「論理・表現I・II・III」(仮称)へと見直すことが提案されている。
 「話すこと」「書くこと」の技能を生かし、スピーチやプレゼンテーション、ディベートやディスカッション、交渉などへの言語活動を中心として、アウトプットする技能統合型の言語活動を目指そうとしている。
 専門教科「英語」については、「総合英語I・II・III」(仮称)、「ディベート&ディスカッションI・II」(仮称)、「エッセー・ライティングI・II」(仮称)などへの見直しが検討されている。
 また、教科書・教材については生徒の興味を持てる内容や、説明・発表・討論などを通じて思考力・判断力・表現力を育成するような言語活動の展開などが不十分であるという課題に言及し、「生徒が発信したいと思える題材を扱うなどの工夫の必要」や「指標形式の目標設定が教科書の改善につながるような整理を行う」などを検討し、教材の改善を目指そうとしている。
 また、高校で指導すべき語彙(ごい)数が大幅に増加する。現行の1300〜1800語程度から、1800〜2500語程度(必履修科目、選択科目を全て履修した場合)へと加える方向。

高等学校の教科・科目構成について(案)

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