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東日本大震災から8年(2) 元気な発表の陰で

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 東日本大震災が起こってから満8年となる今年の3月11日に向けて宮城県に入って2日目。覚悟はしてきたが、空は晴れているのに雪が舞い、屋外は思いの他、寒い。
 現地に着てから知った催しの取材に出向く。宮城県では震災復興に向け、「志教育」をかかげ、県内各地の学校で実践を進めてきた。その報告会があるという。
 震災で大きな被害を受けて統合した真新しい中学校が会場。学区内の小学校からも代表の生徒が足を運び、中学生と共に、この1年の学びについて報告した。
 小学生の発表によると、インターネットのスカイプを使って、同様に津波の被害を受けたインドネシアの小学校と交流を続けてきた。児童は英語で自分たちの暮らす地域について説明したという。
 別の小学校では住民の協力を得て、農作業や伝統料理などに親しんできた。会場となった中学校の生徒はボランティアとして地域の行事を盛り上げた。
 1時間あまりの発表では、児童・生徒の元気な様子がうかがえた。だが、この地域は津波で多くの人が命を落とし、また、長く、仮設住宅で暮らした子どもも多い。発表会に立ち会った教員に、「素晴らしい発表でした」と感想を述べると、「実はまだまだ大変で」という答えが帰ってきた。
 想像を絶する経験をした子どももいたはずだ。教員をはじめさまざまな人たちが今も震災からの復旧と復興に向けて努力を重ねていることが感じられた。

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