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教育評価を学ぶ―いま問われる「評価」の本質

13面記事

書評

梶田 叡一 著
第一人者が基礎・基本を平易に解説

 学校教育において、何のために評価をするのか―その本質を知っておく必要があるのは、教師や保護者ばかりではない。学校で教育を受けている子どもたち自身も知っておく必要がある。本来の機能を持った「評価」を受けることによって、子どもたちは「評価」を受ける意味を理解し、より良い「巣立ち」に向かって歩みを進めていくことができる。
 本書は、こうした「教育評価」の基礎・基本に関わる問題を学び直してみようという人たちのためにまとめられたもので、教育評価についての主要な問題のみを選び、大局的な視点から整理し解説している。
 本書は、

 (1) 教育評価の働き
 (2) 教育の目指す目標と成果確認
 (3) 達成目標・向上目標・体験目標と涵養目標
 (4) 測定から評価へ、そして形成的評価へ
 (5) 相対評価・絶対評価と到達度評価
 (6) 学びのトータル・タキソノミー(教育目標の分類体系)
 (7) 自己評価の重要性
 (8) 学力テスト・学力調査の考察
 (9) 評価を重視して基礎・基本を育成する
 (10) 評価する側の目の問題
 (11) 評価される側の心理

 ―の11章と、資料編「実態を把握するための評価方法とその関連」からなる。
 コロナ禍の中で、われわれはルーティン化してきたことの問い直しに直面した。教育評価の第一人者が、現在の評価研究の最先端部分を含みながら平易に述べた本書は、学校教育の問い直しの書としての意味も持つ。
(2200円 文溪堂)
(郎)

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