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「複線化授業」でつくる社会科の個別最適な学び

12面記事

書評

北 俊夫 著
指導案の枠組み例など具体的に

 本書は、社会科における複線化授業の実現に向けて、その基本的な考え方や実践的なヒントを示したものである。複線化授業とは、一人一人の子どもが自らの問題意識や興味・関心などに基づき、自らの学習活動を構想しながら学習方法を選択・決定し、問題や課題を追究・解決していく授業を指す。授業において子ども自身による選択的な行為や場面を設定し、子どもに選択・決定を委ねるスタイルであるため、この授業を行うには、選択の主体を教師から子どもに移行する必要がある。
 ここにおいて教師は、教材や資料、学習活動や学習の場など、学習方法に関わる要素について選択肢を複数用意することが求められるわけだが、第3章では「学習の方法(まとめ方)」「学習の道具」「学習時間」など、さまざまな観点における指導方法の複線化の可能性が示されている。また、第4章では、小学校社会科における3年生から6年生までのさまざまな単元(「昔の道具しらべ」「歴史単元」など)について、複線化授業のアイデアと配慮事項が示されている。最終章では、複線化の場面を組み入れた学習指導案のフレーム例や学習環境の整備など、複線化授業を成功させるためのポイントが具体的に示されており、大変参考になる。
 社会科における個別最適な学びを具現化しようとする教員にとって、本書は確かな指針となるだろう。
(2046円 明治図書出版)
(井藤 元・東京理科大学教授)

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