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一刀両断 実践者の視点から【第11回】

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論説・コラム

仕事に対する査定

 再雇用というおかしな雇用形態が教育界にも存在している。同じ仕事なのに給与は減る。労働の対価を年齢や雇用形態で操作するのだからブラックそのものである。
 仕事の出来る出来ないを査定しないで、年齢でのみ基準を決めるのだから、不満がでない方がおかしい。評価が金銭に反映されなくとも問題ないと言う事になる。これは現役の時から仕事に対する査定が出来ていない故の悪循環なのである。
 以前勤務評定をつけていた頃、C評定を付けたら教委から直すように言われた。理由は面倒になるからとのことであった。こうした力もあり、戦力として十分な者も、組合がうるさいからと問題ばかり起こしてきた教員も、同額で安く雇用するのが、現在の再任用や嘱託ではないだろうか。
 この理不尽には誰もメスを入れないのだから、少なからず全体の熱や力量は下がるだろうし、力ある面々を他へと放出する(晴耕雨読)事になっている。
 会社ならとうに潰れている。定年制、年功序列といった劣化している制度が未だに君臨している。人物力量を正しく査定できないツケは、明らかに見えはじめている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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