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一刀両断 実践者の視点から【第20回】

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マスクへの疑問を貼り出した校長

 《「マスクは免疫力を下げます」/来校者に貼り紙/栃木の中学校長が唱えた「ノーマスク指導」の異様》(J-CASTニュース)とニュースが流れた。この訴えは校長の意思であり、それを来客者に示すのだからかなりの確信があったのだろう。
 しかし、ある意味、職権を使って公式に表示したのだから責任は問われることになる。こうした対応を教育委員会が容認していたなら、危機管理の任を果たしているとは思えない。この表示に間違いがあった場合は、その与える影響は極めて大きい。
 教委が曖昧なコメントを出したのは、この校長を指導しなかった責任を問われかねないからと推測される。思い込みによるものとした場合その資質や知見が問われることになる。こうした資質や知見を管理職としてどのように磨くのかは個々に任される。定年後再任用になっていたら処分をされるし、再任用でなければ何の処分も出来ない事になる。
 後の世にこの校長の判断が正しかったと言われるときが来ないとは断言できないが、時期尚早としか思えない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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