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一刀両断 実践者の視点から【第45回】

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教師のまじめさ

 《児童の写真代を紛失「捨ててしまったかも」 教諭を停職》(朝日新聞)という見出しの記事を読み皆さんはどう感じただろうか。自分で補填すれば済むとか、記事にする意味があるのかと感じなかったかと問いたいのである。
 確かに管理の面では問題であり、犯罪者をつくってしまう結果にもなりかねない。しかし、このことを正直に報告する生真面目さとそれを処分する教委、さらにそれを全国記事にするメディアの感覚が理解しにくい。
 私なら紛失した事実を報告されたら、まず立て替えてから探すように指示するだろう。教委ならば金銭管理について徹底させるだろう。その上で管理職も含めて厳重注意とすると思う。
 この記事が全てだとすると、全国で読める記事にする必要性は感じられない。それなのに記事になったのだから、何らかの指示や意図があっての事ではないだろうか。
 こうした紛失の未遂は全国の至るところで数えきれないはずである。都議の無免許運転のようなふてぶてしさからすれば、教師の真面目さが際立つ記事ではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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