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一刀両断 実践者の視点から【第68回】

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教員免許更新制の廃止

 教員免許更新制度は2007年、第1次安倍晋三政権の教育再生会議が提言した。第一次報告には「不適格教員に厳しく対応する」が盛り込まれており、教員の資質向上を掲げた当初の趣旨とは異なる方向性があった。
 これが愚策であり、教育現場を苦しくさせる事を一番分かっているのは教育現場を経験した委員ではないだろうか。その委員達の保身が政治の独走をさせたと見る方が正しいのではないだろうか。自分の立場を優先して本来の役を果たさなかった委員達が糾弾されるべきである。こうした委員は至るところに存在している。
 更新講習の受講料は自己負担である。そのお金は何処へ集まったのか。何処へ流れたのか。学生数が減少しているなかで大学数はさほど減ってはいない。受講料が入る大学は潤う。定年後、大学で教授職や理事長などになる教員や役人はかなりの数になる。私もその一人である。他の大学を見渡すとあそこにもここにも文科省官僚や校長会役員の経験者の名がある。こうした愚策が続いてきた構図は、金と利権の流れを見れば浮き上がってくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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