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一刀両断 実践者の視点から【第82回】

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いじめ自殺第三者委員会が「異なる結論」

 <同級生から「むかつく」「殺人鬼」…高専学生自殺、調査報告書でいじめ認定>(読売新聞)という見出しのニュースが出された。
 最初に調査を行った第三者委員会では、いじめは「一定の要因」との結論を出したが、遺族の納得は得られなかった。メンバーを変えて改めて第三者委員会を設置したところ、「自死した原因」との結論になったという。どちらが真実なのだろうか。
 後者が真実ならば、前者の判断は極めて片寄った結論を出したことになる。そこを徹底的に分析して明らかにすべきではないだろうか。さらにこの結論に関わった人物を明らかにして、そうした判断をした理由を公表する必要がある。再構成をした第三者委員会が設けられなかったら、結論がこれほどまでに変わることはなかったからである。
 責める意味ではなく、その判断材料の有無や視点を把握して結論の信憑性を担保するべきだからである。さらに言うならば、専門家の質を問わねば死者は浮かばれないからである。この点がいつも曖昧にされてはいないか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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