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一刀両断 実践者の視点から【第85回】

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17歳で父になったチャンピオン

 <17歳で父になり、コンビニの廃棄弁当を食った「全てをかけていた」>(朝日新聞)ボクサーが無敗のチャンピオンを破り勝利した。必死の姿が心に焼き付いた試合であった。
 若くして親となり家族を守り、生きることは私には想像もつかない。反面、子を虐待し、死に至らしめる大人もいる。この違いは何なのだろうか。
 やはり出会いであり、幼児期の体験が影響していると私は考える。幼児期はまさに白紙の上に人の振る舞いや感情が描かれていくように、その姿は一生消えることはないはずである。
 その意味でも新チャンピオンは何のために闘ったのかに注目したい。それは技術やボクシングを越えて守るものがあったからではないだろうか。
 この原点を忘れずにいて欲しいし、子ども達に泥臭くとも人情味のある生き様を残して欲しいと、喜びに抱き合う家族の姿を思い浮かべて、私は願った。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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