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一刀両断 実践者の視点から【第125回】

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事件再発を防ぐ道徳力
 
 《容疑者死亡で遺族代理人「遺族の『知る機会』失われたことは痛恨の極み」大阪ビル放火の無念》(MBSニュース)という見出しの記事が出された。何の意図があったのか分からずに道連れにする理不尽さは憎むに憎めない虚しさしか残らない。
 このような事件はどのようにすれば再発を防げるのだろうか。それを誰が考えて行動するだろうか。
 石油などの販売に規制をかけることはできないものか?ナイフなどの販売に規制をかけないのか?車の運転にも規制がかけられないのだろうか?
 いずれにしても意図があれば手段を選ばす行動することになる。顔認証で犯罪を防ぐシステムが導入される時に反対論が出た。管理されたくはないという趣旨のようである。
 被害者に、再発防止の策は示さず、運が悪かったとして済ますのだろうか。ここに道徳心や倫理観を主張する面々の意見を聴いてみたい。その非力さと教育に本格的に道徳を組み込まない曖昧さが犯罪や自殺を増幅している事実に、何故気づき、考え、行動しないのか不思議でならない。
 人には悪と善の心が存在している。それを制御してコントロールする事を教えられるのは教育でしかないはずである。国が総力をまとめて今取り組むべきは、コロナ禍以上に教育の道徳力強化ではないだろか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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