デジタル教科書 発行、使用指針を議論 有識者会議が初会合
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新学習指導要領の実施に合わせて導入が検討されているデジタル教科書について文科省は10日、発行や使用に関する指針を作るための有識者会議の初会合を開いた。導入学年の考え方や子どもの発達への影響などを議論し、秋頃までに指針をまとめる。座長には堀田龍也・東京学芸大学副学長が就いた。
無償配布の対象となる教科書の形態は、従来の紙に加え、デジタル、紙とデジタルの融合の3種類とする方針だ。二次元コードで載せる発展的内容や動画、音声なども教科書の一部として限定的に認める。令和12年度から導入することを目指し、今国会で関連法案が提出されている。
会議では、それぞれの形態にとって効果的な学習場面の整理や、発達段階に応じた使用の在り方、視力低下を含めた健康への影響―などを論点として示した。
初会合では、こうした論点を踏まえ、委員が幅広く意見を述べた。東京都立立川学園の市川裕二統括校長は、デジタル教科書は特別支援教育の現場でも有効性が高いとして、「発達段階だけでなく障害特性を踏まえた使用についても指針に記述してほしい」と求めた。
東京都福生市立福生第一小学校の高瀬智子校長は、「小学校の低・中学年がデジタルのみで学ぶことには慎重になる必要がある」と指摘。また、デジタルでは紙面の制約がないため「内容が過度に増えないよう、適正な量を示してほしい」と要望した。
同省は、年度内に制度改正を進め、今後、教科書の著作・編集(令和9年度)、検定(10年度)、採択・供給(11年度)を経て、12年度から新しい教科書の使用を始めるとしている。
