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一刀両断 実践者の視点から【第138回】

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論説・コラム

ルールとマナー

 「ルール」とはしてはならない事、しなければならない事であり、そのルールを決めたものが責任を持つことになる。してもしなくてもよい事は「マナー」になり、個人の裁量になる。
 この裁量にその人の価値観や行動が現れてくる。日本人のマナーすなわち振る舞いは道徳心や倫理観のなすところで、多くの人々からの賞賛を得ている事が分かる。
 オリンピックでもその姿は鮮明であり、中でもカーリング女子の笑顔は忘れられない。チーム名の中にある「ソラーレ」とは、太陽という意味らしいが、まさにそのものであった。
 その歓喜を伝えるニュースと共に、ロシアによるウクライナへの侵攻による戦争の脅威が伝えられていた。同じ人間が歓喜をも与え、殺戮をもする現実である。
 プーチン大統領は柔道を好んでいるらしいが、型は覚えても心は体得していない事がはっきり分かる。柔よく剛を制すと学ぶが、剛で人間同士の殺し合いをする愚かさを学ばなかった証明である。いかに知識や科学が発達しようともそれをどのように使うかと言う人間としての根幹まで教育が届いていないと言う事である。
 共存共栄も破滅もすべて人がする事である。それを制御できるマナーは教育でしか身につけることは出来ない。あのヒットラーにもガンジーにも間違いなく親が居て恩師が居たのだから。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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