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一刀両断 実践者の視点から【第204回】

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文科省職員の決意に期待

 旧統一教会の政治への侵食がこれほどまでに広がっていた事に国民の大半が驚いているのではないだろうか。ある知識人に、「凄い浸透力ですね」と話したところ、「教会の教えは悪くないですよ」とかなり強い口調で返された。彼はアメリカから宣教師として日本に布教に来た経験があり、キリスト教信者なのであった。
 経典はあっても、解釈により、かなり歪曲して用いられる場合が少なくないのである。特に日本は多神教の為に受け入れやすい土壌がある。ましてや神道とは相性が良い事になる。今回の事件が仮に無かったとしたら、公になる事なくさらに浸透し、政治や報道をコントロールする結果になっていた事は間違いがない。
 文化庁も名称変更は問題隠しとは言えないと主張している。その理由を黒塗りにしているのだから会いた口が塞がらない。文科の中にも信念を持った職員がいると信じたいが、その動きが見えない。さまざまな重責を経験している人々なのだから、辞職を決意して、公平な立場の真骨頂を示してほしいものである。全国の教職員を束ねている大元なのである。馬鹿にされるような省庁であってほしくない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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