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一刀両断 実践者の視点から【第244回】

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論説・コラム

「主語」を意識したい

 NPOの調査で次のような記事が出された。《「主語とは」、中1の過半数で未定着》と言う内容である。
 これは思い当たる節が多くある。何故なら話し相手が分かっていると思い主語を言わずに話される事が多くあるからだ。
 それは相手の理解よりも自分本意の意識が知らぬ間に優位になっているからかもしれないし、馴れ合いで分かっていると思い込んでしまうからかも知れない。
 こうした傾向は夫婦間によく見受けられる。さらに教員同士の夫婦には起きやすいのではないだろうか。また、教員は多忙になると、児童生徒の話を最後まで聴かないで推測して分かったふりをして話して信頼を失う事が多いので気をつけねばならない。
 最近は、携帯に呼びかけるだけで回答へと繋いでくれる仕組みがある。その優れものは主語がなくとも対応してくれる。
 その意味でも主語を意識して話す訓練的な学びを徹底する必要がある。相手を敬う事でもあり、親しき中にも礼儀ありという日本語を忘れない丁寧さを失ってはならないし、言葉が崩れると戻ることは困難になるからだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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