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ヤングケアラー支援拡充、グローバル人材育成手厚く 都が来年度予算案

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 東京都が1月27日、令和5年度予算案を公表した。家族の世話や家事を日常的に担う「ヤングケアラー」や、日本語指導が必要な児童・生徒などへの支援を拡充する。学校教育分野では英語力の向上や教員確保に力を入れる。
 ヤングケアラーの支援につなげるため、普及啓発や早期把握に取り組む。子どもたちにヤングケアラーについて知ってもらうための資料を作る。福祉分野や教育分野などの関係職員の合同研修や研修用の教材作成も行う。
 外国人児童・生徒らへの支援策も強化。日本語が母語でない子ども対象の交流の場「多文化キッズサロン」を設置する。子どもと保護者の相談に乗り、支援につなぐ「多文化キッズコーディネーター」の配置を進める。日本語指導教材も改訂する。
 学校教育分野では英語力向上やグローバル人材の育成に力を入れ、本年度の1・9倍の関連予算を確保した。都立高校生を海外に派遣し、現地の高校生と交流する。令和7年度までの3カ年で千人以上を派遣する予定だ。英語スピーキングテストを中1、中2でも活用し、話す力を測る。
 教員不足が深刻であることを踏まえ、教員確保と働き方改革も進める。産休や育休の代替教員を最大4カ月前倒しで任用できるようにし、臨時的任用教員を確保する。教員の負担軽減策として、学年主任など負担が大きい教員の授業時数を減らすための講師配置を拡充する。
 また、今春から公立中学校の部活動の地域移行が本格的に始まることを受け、区市町村が地域の運営団体と連携して取り組めるよう関連予算に5億円確保した。

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